石けんの販売開始からバタバタしていたらあっという間に桜の季節を通りすぎてしまいました。
ここ岡山県北の真庭市は、春山が嗤うがごとく新芽や山桜で明るく彩られ、旭川沿いの桜も菜の花と相まってとてもきれいでした。
今は勝山よりさらに北部の蒜山や新庄村のあたりが見頃だそうです。
以前の投稿で、マツリカサボンの石けんの特徴→☆や、石けんへの想いについて→☆記事を書きましたが、
今回は発売されたばかりの、ひるぜんの石けんシリーズをひとつずつご紹介したいと思います。
クロモジ石けんについては過去に書いたこちらの記事参照→☆
今回は「ヤマブドウ」の石けんについてです。
昨年の4月、アロマテラピールームのユキミドリさんより蒜山の石けんの素材のテーマをいただき、それまでラベンダーやクロモジの石けんは作ったことがあったのですが、ヤマブドウを使うのは未知の世界でした。
山ブドウは蒜山地域にもともと自生していたものを、ひるぜんワイナリーさんがワインを作るために大変な手間暇をかけて栽培されていたもの。
標高が高く豪雪地帯の蒜山(ひるぜん)の気候にも耐えるほど生命力が強く、驚くほどの効能があると近年明らかになってきています。
一般的なブドウと比較して、リンゴ酸が5.5倍、ビタミンB6が3倍、鉄分が5倍、カルシウムが4倍、そしてポリフェノールが3倍も含まれているそうです。
ヤマブドウには有効成分であるポリフェノールが多く含まれ、その機能性には、天然の抗酸化成分が多く含まれており、岡山大学大学院の研究によると山ブドウの葉成分には皮膚がんの抑制やアンチエイジング効果があることも確認されているそうです(資料参照)。
(※石けん自体が皮膚ガン抑制やアンチエイジング効果があるという研究ではありません)
この抗酸化力が高いポリフェノールヤマブドウをそのまま絞ったジュースは甘酸っぱい芳香と濃厚な酸味が特徴。
普通のぶどうみたいにたくさんは絞れない貴重な果汁で、これだけでも強力な美容ドリンクですが、この果汁をふんだんに使おうと工房ができる前、昨年の夏頃から試作を始めましたが、これがなかなかの苦労の連続。
試作当初のヤマブドウ石けん↓
試作を始めて、当初から予測はしていたのですが、ヤマブドウの果汁の色素のアントシアニンが、石けんのアルカリと反応してしまい茶褐色の石けんになってしまうのです。果肉を砕いて混ぜ込んでみたり、山ブドウの絞りのこりも、サンプルでいただいて蒸留して、山ブドウの香りの芳香蒸留水を入れてみたり、試行錯誤の連続でした。
何度も何度も試作した末にようやく納得の色と使用感にたどり着くことができました。。
果汁を加えながらも足りない色の部分はローズクレイと麻炭(cosmic hemp)を加えて、深いヤマブドウ色を出しています。
ローズクレイは毛穴の汚れを吸着し、麻炭は消臭効果はもちろんのこと、調べると様々なヒーリング効果があるのです(麻炭の素晴らしさについてはいずれ書きますね。)
そして、一番こだわったのはオイルの配合。
もともと化学大好きな私は、オレイン酸、リノール酸など、それぞれのオイルの特性を考えながら、石けんのレシピを考えている時間が一番好きです。
「オリーブオイル」など同じ名称のオイルでも品質はピンキリで、使用するオイルのグレードによって使用感に差が出ます。
そして配合量も1%変えるだけで石けんの印象が変わったりします。
1%ずつオイル配合を変えながらの試作は気の遠くなるような作業ですが、狙いとピタリと一致する石けんができると本当に嬉しくなってしまうのです。
抗酸化力の高いヤマブドウの特性を活かせるように、ヤマブドウ石けんは「エイジングケア」をテーマにオイル配合を考えました。
ヤマブドウの石けんは、オーガニックのオリーブオイルやココナッツオイル、シアバター、ココアバター、ひまし油など7種類ものオイルを配合しているのですが、今回の石けんの特色が出ているのはオーガニックの「マカダミアナッツオイル」です。
マカダミアナッツオイルは「パルミトレイン酸」を18〜25%も含有する珍しいオイルです。
このパルミトレイン酸はもともと人間の体の中の脂肪細胞に含まれる不飽和脂肪酸であり老化とともに失われていくと言われています。
そうした年齢肌のケアにマカダミアナッツオイルはとても良いと言われており、原材料のオイルを肌にのせてみると、浸透力が素晴らしいのです。
「バニシングオイル(消えるオイル)」と称されるほど浸透力が高くベトつかない、そんなオーガニックのマカダミアナッツオイルの特性を最大限に活かした石けんがこのヤマブドウ石けんです。
使い心地は、ふくふくと、やわらかくやさしい泡。
原材料のヤマブドウだけでは香りが弱いので、マンダリンやプチグレン、カモミールローマンなどの精油を使用して野性味がありながらも甘酸っぱい山ブドウの香りを表現しており、皆さんから「美味しそうな香り」「香りに癒やされる」と言われます。
そして洗い上がりはつるつる!さっぱりしながらも、化粧水を忘れるほど潤います。
お試しに、洗顔後化粧水をしばらくつけずに過ごすと、その潤いがより感じられると思います。
お顔にはもちろん、髪にも全身にお使いになれます。
これまでも使った皆さんから、
「洗い上がりが潤うのでそのままでもいいくらい!」
「2度洗いでメイクが落ちて、つるっつるの洗い心地に驚いています!」
等、嬉しいお声をいただいています。
洗顔をしながらヤマブドウの抗酸化力とマカダミアナッツオイルのエイジングケアをぜひお試しくださいね。
ウェブショップはこちらのリンクより→☆
そして、嬉しいことに春先に採れはじめたヤマブドウの樹液がひるぜんワイナリーさんより届きました。
製造担当の美幸ちゃんと肌にのせてみたら、すうっと浸透してしっとりモチモチに!
すごいすごい山ブドウパワー!
ヤマブドウ樹液は、その美容効果から他社の化粧品でも美容液や化粧水としても使われており、春先の数週間しか採れない貴重なもの。
今現在の山ブドウ石けんもとても評判がいいのですが、こちらの樹液も少しずつですが、今後石けんに入れて更にパワーアップしていく予定ですのでお楽しみにしてくださいね!
次回はラベンダー石けんについて書きたいと思います。