立冬を過ぎ、山が紅葉で彩られ、空気が澄みわたる
11月は大好きな季節です。
工房の前の道を上っていくと広々とした勝山運動公園。
息子はここでよく友だちと遊んでいます。
工房では、ここ最近は大量の石けん作り。
製造担当のmiyukiちゃんと一緒に「クロモジ」や「ひのき 麻炭」の石けんを仕込みました。
石けんは生きものみたいなところがあり、今回は気温が下がっているのにも関わらず、撹拌時間がいつもの半分で変化を始めたので少し焦りました。
原材料のオイルや精油は、新しいロットの缶を開けたりすると粘度や香り、肌なじみが微妙に違うことがあります。
野菜が旬の時期になると味が濃くなるように、オーガニックの自然素材を扱っているのだから一定以上の品質の中でわずかなブレが生じたりするのもなのです。
こうした素材を使用しているため色の調整やデザイン、香りの加減、気泡が入らないように滑らかに仕上げるタイミングは毎回違い数値化しきれないもがあります。
泡立ちや保湿力などの使用感ごとに特性のあるオイル配合を考えて、鹼化価などを計算したレシピを考えるのは私の仕事。
このレシピ通りに正確に作るのは大前提ですが、最終的には石けん作りは感覚の世界で、こちらが得意なのが製造担当で我が社のアーティストのmiyukiちゃん。
もしも石けん作りの世界に「絶対音感」のようなものがあるとしたら、彼女は間違いなくその感覚を持っている。
私はどうしても頭がカタいので経験や数値にとらわれるところがある。
でも彼女はそんな私の思考を軽々と飛び越えて、目をこらしても分からないような石けん生地のわずかな変化を鋭敏なセンサーで感じとり、「今ここで合わせなきゃダメ!」といつもベストなタイミングで仕上げてくれる。
私がオイルや香り、使用感について0.1%単位で調整したレシピを作り、miyukiちゃんが感覚を研ぎ澄まして美しく仕上げる。
MATSURIKAの石けんは二人でなければ成し得なかったと思う。
石けんの生地のとろみ具合や、流し入れる加減で、こんなにドラマティックな模様が出てハッとさせられます。
タイミングをちょっと間違うと、こんな美しい模様は出せないのです。
小さなトライアルサイズだって、数百個単位で仕込むのに1つ1つにちゃんと美しい模様が入っているのが私たちのひそかなこだわりだったりします。
大量生産の工業製品のように作れないけど、使用感抜群の手作り石けんでありながらアートと生産性を両立させる。
それは理系の私とアーティストなmiyukiちゃんの個性そのものが出ている石けんと言えるかもしれない。
石けん作りは「化学とアート」であり、そして「愛と気合い」だね、なんてよく工房で話しています。
週末は子どものことにかかりっきりだけど、こうして大好きな石けん作りに没頭しているのが私たちの一番楽しいワクワクの時間。
湧き水とオーガニックオイルと上質な精油。
原材料がすごくいいものだから、作っている時の石けん生地のなめらかさや美しさは、それだけで癒やされます。
先日、とても忙しくされているお客様から、嬉しいメッセージをいただきました。
「睡眠時間、三時間くらいとかよくあるんですが、あの石けんで顔を洗うと香りとスッキリ感に癒されています!
こうして優しく、しなやかに、またたおやかに作られたこの石けんが多くの方の救いになっているはずです。」
ちょうど子どもの付き添いでグッタリしていた時だったので、こんな温かいメッセージをいただき思わず涙がこぼれました。
息子は超手がかかるやんちゃな男の子で、小学校の先生にも迷惑をかけっぱなしで愚痴を言い出せばキリがないけど、この息子の子育てをしていなかったらこんなに優しい石けんを作ることはできなかったと思う。
私たちがひとつひとつ愛情込めて作った石けん、ぜひ一度お試しになっていただけたら嬉しいです。
こうした石けん作りや子育ての話について、今月20日に工房で行う「起業女子Café」でお話しするのを楽しみにしています。
まだ若干席に余裕があるみたいなので、真庭での起業に興味のある方がいらしたらぜひこちらのページよりお申し込みくださいね→☆
↓
※お陰さまで先ほど定員に達しました。ありがとうございます(11/13追記)
MATSURIKA SAVONのWEBショップはこちら→☆