最後の読み聞かせ

先日の金曜日は協力隊時代からずっと続けていた、小学校での読み聞かせボランティア最後の日でした。
この3月を最後に石けん事業が本格的に忙しくなるので、4月以降の継続はしないことにしました。

もともと私が本や絵本が大好きで、「勝山・本とまちプロジェクト」に参加させてもらっていた頃、勝山図書館の司書さんから「小学校で読み聞かせしませんか」とお声かけいただいたのがきっかけでした。
絵本の持つ素晴らしさを子ども達に伝えたいと思って始めた読み聞かせ。

本当はもっとずっと続けたかったのですが、私自身「ゼロか100か」というところがあり、やるとなったら子ども達に喜んでもらうようにとことん準備し手を抜けないタイプなので、いろいろ悩んだ末の選択でした。

図書館に行って何冊か候補の本を借りて、家で息子相手に練習して、時間内に終わる本を選び、読み方のスピードを調節して、当日、絵本を携えて小学校へ毎月2回・・・。
これらの準備に割く時間とエネルギーがここ半年ほど事業立ち上げで余裕がなくなってきて、でもきちんと準備できているときと、できていないときでは子ども達の集中力が違うので、やっぱり中途半端を続けるのはいけないなぁと思って決めました。

毎月読み聞かせを続けていた3年生の子達に、最後に選んだ本は、
宮澤賢治の「注文の多い料理店」(偕成社)

二人の紳士が猟をしながら山へ迷い込んで、不思議な「山猫軒」という西洋料理店に入っていくお話は、この先どうなっちゃうんだろうとワクワクドキドキする展開で、山猫軒からの注文に紳士二人のちょっとお間抜けなかけ合いが面白い。
ちょっとコミカルで思わず笑みのこぼれるような、しまだむつこさんの木版画も素敵です。

難しい言葉も多少はありますが、そこは春から4年生になる子達なのでちゃんとついてきてくれます。

実は、宮澤賢治は私が子どもの頃に父が毎晩読み聞かせしてくれた、私の本の原点とも言える童話作家です。
これが私の宝物の本で、宮澤賢治童話集(実業之日本社)
注文の多い料理店はもちろんのこと、オッペルとぞう、風の又三郎、セロひきのゴーシュ、銀河鉄道の夜など21編が収録されています。

〜風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました〜

こうした宮澤賢治の美しい自然描写が大好きです。

カバーもボロボロで、裏をめくってみたら、なんと発行が1969年。
若かりし父が愛読した本を、私に引き継いでくれて、今はその本を私が息子に読んでいます。
私が父から引き継いだ愛情を子ども達へ、そんな思いから最後の読み聞かせは宮澤賢治にしたかったのです。

注文の多い料理店は、どんぐりと山猫と同じくらい、子ども達に受け入れられやすい作品。
力のある作品は、子ども達をぐいぐいと物語の世界に引き込みます。

最初はざわざわしていた教室がしーんと静まりかえり、すごく集中して聞いてくれていたので、途中で校内放送の音楽がかかったときに、一番前の席の子がパッと立って、放送のスイッチをパチンと切ってくれたのが嬉しかった。

20人の目がこちらに向かい、子ども達とひとつになる最高の瞬間。
読み終わったときは、自然と拍手が起こりました。

こんな子ども達への素敵な機会をくださった、勝山図書館の職員さん、小学校の先生方に心より感謝。
そして2年生の頃から、読み聞かせを楽しみにしてくれて、いつも元気をくれた3年1組と2組の子ども達にありがとう。

もうすぐ、中央図書館に引っ越しとなる勝山図書館には、こうして今まで私や他の読み聞かせの方達が読んだ絵本をブックツリーとして飾ってくださっています。

終わってしまって、本当に寂しいけれど、もともと養護教諭時代から子ども達のいる学校は大好きな場所なので、またいつか読み聞かせができたらいいなぁ。

今の私には次のお役目があるので、それに向かって精一杯がんばりたいと思います。

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