先日、工房に県庁医薬安全課による監査が行われて数日、折りしも勝山に雪が降りしきる2月11日の建国記念日に、待ちに待った化粧品製造業と化粧品製造販売業の許可証が届きました。
ここまで本当に、本当に長かった。
4年前、まだ東京の学校の保健室で働いていた頃、もう退職を見すえて、
真庭市地域おこし協力隊の募集用紙に、
「地域の素材を使った石けんを作り事業化したい」と書いたときから、ずっと思い描いていた夢への大きな一歩がようやく叶いました。
もう、感無量でここ2日間ぐらいボーッとしています。
石けんを作り、販売するためには化粧品製造業と化粧品製造販売業の許可が必須で、真庭市での許可取得者は前例がなく、母子での移住も含めて何もかも初めてのチャレンジでした。
市の地域おこしの仕事をしながら、岡山県庁に通い、何年も条件に合う物件を探しました。
古民家が構造上から工房には不向きで、まさかの新築で建物をいちから建てることになったこと。
一緒に石けんを事業化しようと約束した仲間が、突然の事情で真庭を去ってしまったこと。
母子で暮らしながら事業を立ち上げるのに、子どもが小学校に馴染めなくて不登校になりかけて、子育てとの両立に悩んだこと。
何度も何度も壁にぶち当たり、昨年の今頃は地の底まで落ち込んで、誰にも会えない時期もあったりしたのに、そんな時に「大丈夫か〜?」と声をかけてくださって、応援してくださった地元の方々には感謝してもしきれません。
そして一転、2017年の春からは奇跡の出会いの連続。
化粧品製造・薬機法のスペシャリストの女性行政書士さんとの出会い。
会社や製造を手伝ってくれる仲間、かけがえのない親友との出会い。
背中を押してくださった、勝山の方々はじめ、商工会や市役所の皆さん。
私のワガママな注文の工房を建ててくださった建築の現場監督さんや大工さん達。
熱い思いを持った取引先の社長さんや生産者さん達との出会い。
壁塗りや撮影、ホームページ作成を手伝ってくれたハートフルな仲間達。
他にもPRプランナーや中小企業診断士など各専門家の方々。
点と点が線で結ばれたら、どんどん繋がる引き寄せの連続。
自分だけでは苦しいときに、助けてくれる人がスッと現れる。
そうして出会った方々に助けてもらってここまで来ることができました。
しかもその出会い方も、カフェで偶然隣り合わせた人だったり、その時その時の一瞬の自分の判断が違ったら会えなかった人だったり、神がかったような出会いが何度もありました。
そして有り難いことに今現在進行形でもこの奇跡の出会いは続いています。
また気がついたら、今までどうしようもなく手がかかって大変だった息子は、大好きな将棋にのめりこんで、急速に親離れの時期を迎えつつあります。
(監査前日は、もろもろの準備のため工房泊まり込みでしたが、息子は屋根裏で将棋に熱中してくれていて本当に助かりました。)
化粧品製造業や製造販売業には、厳しい建物の基準の他に、薬機法に沿ったGVPとGQPという安全基準や品質基準の手順書を作成し、その会社なりのマニュアルを作成していかなくてはならないのですが、専門の行政書士さんのサポートのお陰でなんとかクリアできました(TT)
どうしてこんなに険しい道ばかり選んでしまうのか、自分でも不思議なのですが
私はいつも占いで「あなたは本当に苦労性ね」と言われるタイプで(苦笑)、
自分で何でもがんばって乗り切ると思っていて「奇跡」なんて、自分自身にはない言葉でした。
でも諦めずに希望を信じて動き続けていたら、本当に奇跡は起こるし、いつか苦労は報われるときは来るのですね。
みんなのサポートがなかったら、そしてここ真庭でなかったら、多分実現しなかったと思います。
きっと神様が今やりなさいと言っているタイミング。
会社名のMATSURIKA(マツリカ)の語源は 「神からの贈りもの」
自然素材のみで、美しくて、やさしくて、いい香りがして、癒やされて、消えてなくなる。
そんな神様からの贈りもののような石けんを早く皆さんに届けるために、これから製造体制を整えて、お世話になった皆さんにご恩返しができるような良いものづくりをしていきたいです。
ここまで応援してくださってお世話になった皆さまに
そして遠くから支えてくれている家族に、心よりありがとうございました。
まだまだこれからですが、これからも見守っていてください。
今から製造や販売体制を整えて、3月発売を目標にがんばっていきたいと思います。