息子の睡眠障害とはちみつの驚くべき効能

前回まで日本みつ蜂のはちみつを使った冬季限定石けんの紹介と、ニホンミツバチのはちみつの詳細について記事を書きましたが、今回は非加熱はちみつの効能について、私なりに調べたことをまとめてようと思います。

はちみつの効能は保健室で働いていた頃から注目しており、家にもはちみつを常備し、喉が痛い時や咳が出る時にはちみつレモンを作って子どもに飲ませるなどしていましたが、その時から咳が治まったり喉の痛みが緩和するのを実感していました。

ただ直接はちみつを食べるのは喉にひっかかるようなえぐみが苦手で、レモンやカリンを漬けるなど、調理用として時々使う程度でした。

最近になって日本みつ蜂の非加熱はちみつと出逢ってからは、風味が良くて本当に美味しくて、息子と一緒に朝と晩にひとさじずつ常食するようになりました。
はちみつに改めて着目するようになったきっかけは息子の睡眠障害でした。

眠りが浅いのは夜間低血糖?

息子は赤ちゃんの頃から寝ない子で、寝付きが悪く夜泣きする、眠りが浅いので脳が十分に休息を取れていない状態で、朝起きられずに不機嫌ですぐにイライラして癇癪を起こしやすく、子育てには本当に手がかかりました。
その睡眠の不調は小学生になっても続き、夜泣きはなくなっても、夜間の寝言や歯ぎしり、悪夢を見るらしく寝ながら叫んだり暴れたりして私も毎晩のように起こされました。
早めに寝かしても眠りが浅いので朝起きられず、学校でも授業に集中できず一時期は小学校も不登校になるほど。
起立性調節障害も疑って病院にも行ったりしていました。

そんなある日、仕事仲間のmiyukiちゃんが、こう言ったのです。
「睡眠時の低血糖かもよ。はちみつがいいんじゃない?」
この彼女の天の一言が、私にとって目の前の霧がぱっと晴れるような気づきを与えてくれたのです。

試しに家にあったはちみつを寝る前にひとさじ息子に食べさせてみました。
食べさせてみて効果はすぐに分かりました。
寝入りが良く夜間の眠りも深く、以前のように寝たまましゃべったり暴れたりすることがなくなりました。
朝も以前よりすっきり目覚める。
学校でも以前より集中できるようになってきて、これはすごい!とびっくり。

息子はもともとちょこちょこ何か食べてないとすぐにお腹が空いてしまうタイプ。
確かに夜7時頃夕食で、次の朝食までに12時間近く時間が空いてしまうと、グリコーゲンを貯めにくい体質の人は大人でも夜間低血糖を起こすのだそうです。

息子は低血糖と診断された訳ではないですが、明らかにはちみつを食べさせると夜の睡眠の質が違うのです。
私も朝晩ひとさじずつ食べるようになって眠りの質が良くなり、肌の調子が良くなったり仕事に集中しても疲れにくくなりました。
血糖値を上げるだけならお菓子やジュースやごはんでも上がるはずなのに、なぜはちみつが良いのか?
私は気になったらとことんの性格なので、前回のニホンミツバチに続き、さっそく本を集めはちみつの効能について調べ始めたのです。

寝る前にはちみつをとると良い理由

「ひとさじのはちみつ:前田京子著」によるとはちみつには鎮静作用があり、ストレスを取り除く安眠剤。
はちみつの主成分がブドウ糖や果糖などの単糖類(それ以上分解されない糖類)なので、これ以上消化する必要がないから胃に優しく、すぐに吸収されて頭にもからだにも速効の疲労回復剤となるのだそうです。
人は眠っている間に成長ホルモンを分泌し、疲れをとり、傷んだ部分をメンテナンスします。
低血糖を防ぎ睡眠の質を高めることでこの成長ホルモンがしっかり分泌されるので、翌朝はすっきりなのです。

糖類の種類と脳や身体のエネルギー源となるブドウ糖

糖類には代表的なものとして以下の種類があります
・ブドウ糖:グルコース:単糖類で果物(特にぶどうとバナナ)やはちみつ、 穀物に多く含まれる
・果糖:フルクトース:単糖類で果物実(特に ぶどう・りんご・さくらんぼ・なし)やはちみつに多く含まれる
・ショ糖:スクロース:二糖類で砂糖の主成分
・他にも、二糖類の麦芽糖(マルトース)や乳糖(ラクトース)など

はちみつの成分のうち約80%弱が糖分で、ブドウ糖と果糖がそれぞれおよそ30数%を占めています。
ブドウ糖は脳のエネルギー源として私たちもよく耳にするかと思います。
脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費しており(1日に消費するエネルギーの20%くらい)、不足すると思考能力の低下、集注力が欠け、やる気も出ずイライラしてしまうので、勉強や仕事などに大きく支障が出てしまいます。

ですから甘いものは身体に悪いと言われたり糖質制限ダイエットなどもありますが、極端な糖質制限は脳や身体に悪影響を及ぼすので本当に危険なのです。
大事なのは良質な糖質補給源を選ぶこと。

はちみつの効果はブドウ糖と果糖のコンビネーション

「自然治癒はハチミツから:﨑谷博征/有馬ようこ著」によると、はちみつの注目すべき点は単糖類のブドウ糖と果糖の両方がリッチに含まれていることです。
はちみつに含まれている果糖(フルクトース)がブドウ糖(グルコース)のエネルギー代謝を高めます。
だから脳のエネルギーの急速チャージにはブドウ糖単体だけより「ブドウ糖+果糖(フルクトース)」を含むはちみつがいいのですね。

運動時にもはちみつは理想的なエネルギー源

運動時には特に筋肉に糖が必要となります。もし運動時に糖が不足すると、私たちの脂肪や筋肉を砕いて糖に返還しないといけなくなります。筋トレしているのになかなか筋肉がつかないという場合、運動時に筋肉が必要とする糖が不足しているために、筋肉が分解されている可能性があります。
運動時には、ブドウ糖だけより、果糖(フルクトース)とのコンビネーションの方がエネルギー生産量、つまり糖のエネルギー代謝が高まることが臨床実験で明らかにされています(*1)

肝臓へのグリコーゲン貯蔵もブドウ糖単体よりもはちみつの方が速い

脳はブドウ糖をエネルギー源としていますが、自分で蓄えておくことができません。
そのため、血液から随時補給する必要があります。
脳へブドウ糖を常に供給するために、血液中の糖量(血糖値)は一定に保たれています。
まず、食事から摂取し使い切れず余ったブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓や骨格筋に蓄えられます。
そして、血液中の糖が少なくなると肝臓から補充し、多すぎる場合にはまた肝臓へ蓄える、というシステムによって、血液中の量を一定に保っているのです。

つまりこの肝臓のグルコースのストック(グリコーゲン)が身体活動および頭脳労働の質を決定していると言っても過言ではないということです。(*2)
このグリコーゲンの再補充は、グルコースを摂取することで25時間後に回復するのですが、はちみつの「フルクトース(果糖)+グルコース(ブドウ糖)」のコンビネーションだと、約11時間でグリコーゲンの再補充が完了します。
つまりグルコース(ブドウ糖)単独よりも2倍のスピードでグリコーゲンが再補充されるのです。
息子がはちみつをとるようになって、イライラが減り集中力がアップしたのは、おそらく肝臓にストックされるグリコーゲンが増えて血液中の糖が安定することにより脳が低血糖を起こしにくくなったのではないかと推測しています。

はちみつで痩せる!「夜はちみつダイエット」

「人生を変える夜はちみつダイエット:田井祐爾著」によると、はちみつダイエットのルールは2つ。
1:いつもの夕食の糖質の質にこだわり、減らすこと
2:寝る前30分〜1時間前に、大さじ1杯のはちみつを摂り、そして寝ること

つまり夜のご飯を少し減らしてはちみつを摂るだけで、夜の睡眠の質が高まり脂肪をぐんぐん燃やしやすくしてくれるそうです。
私たちの体は夜寝ている間に脂肪を燃焼したエネルギーで体をメンテナスしています。

そこで大事なのは「睡眠の質」でメンテナンス作業を管理する脳に十分なエネルギーを補充しておくことだそうです。
不足すると、筋肉をエネルギーとして使うことになるため、脂肪は燃焼しても(筋肉が減ることにより)、太りやすい体をつくることになりますとのこと。
田井祐爾先生は25kgの減量に成功したそうです。
実践者の中には1ヶ月で4.3kg痩せた人もいるとか。

また前述の「自然治癒はハチミツから」という著書でも、砂糖(ショ糖)と異なり、食欲を促進させるグレリンというホルモンの反応を低下させることで過剰な食欲を抑制させる効果があるそうです(*3)
睡眠の質も上がり食欲も抑えられて、エネルギー代謝が上がり健康的に痩せられるのはいいですね!

はちみつは虫歯菌を退治する!?

私がはちみつについて一番衝撃的だったのが、上記で紹介した著書2冊に「はちみつで虫歯予防」と書かれていたこと。(*4)(*5)
「甘いものを食べ過ぎると虫歯ができるよ」って保健室でもずっと指導していたのに、砂糖より甘いはちみつでなぜ!?と思ったのですが、ミツバチ療法の専門家でもある日本の医師が「はちみつはミュータンス菌の活動を抑えるため、虫歯をつくりません」とのことで、はちみつそのもので歯を磨いたり、はちみつ水でうがいすることを推奨しているそうです。
紀元前の医学文献「エベルスの医学パピルス」にも歯茎の潰瘍を除去する薬としてはちみつが書かれているとのことで、確かにはちみつは抗菌力があり日本薬局方でも皮膚・粘膜の保護材として第三類医薬品に分類されているほど。

最近は息子が歯みがき後にはちみつをなめても「歯みがきやり直し!」と言わなくなり、虫歯予防の薬だと思うと息子もニコニコ、私もニコニコ。
甘い物でいちいち子どもにピリピリしなくていいなんて親子共々ハッピーなのです。

まるで万能薬!はちみつの驚くべき効能

他にもはちみつには、ざっと本から拾うだけでも、創傷や口唇のひび割れや口内炎、はちみつ目薬で白内障、角膜炎、結膜炎の治療、消化不良や胃もたれ、下痢、脱水症状、ピロリ菌退治、花粉症、リウマチ、生理不順、若返り、甲状腺機能の向上、口腔乾燥症、脳の活性化、うつ病、不安神経症、抗ガン作用、糖尿病、痛風、咳止め、喉の不調、二日酔い、糖の代謝が上がることによる病原微生物(ウイルス)の除去などなど。(*6)(*7)
すべてをこのブログ内には書ききれないので、ぜひ気になった方は文末の参考文献をお読みくださいね。

本物のはちみつを選ばないと逆効果!?

このように調べれば、調べるほどはちみつの効能は素晴らしいのですが、ここで注意しなければならないのが、加熱や加糖など人が手を加えすぎたはちみつだと逆効果になる可能性があるということ。
昔ながらの本物のはちみつでないばかりに、ダイエット目的のはずが太ってしまったり、逆に虫歯が増えてしまったら本末転倒ですよね。

我が家は幸いにも、信頼できる生産者さんと繋がり、非加熱の素晴らしい日本みつ蜂の蜂蜜に出会えたので、MATSURIKAのオンラインショップでも取り扱うことにしました。→奥吉備の里 日本みつ蜂はちみつ→☆

お陰様で先日すぐにソールドアウトになりましたが再入荷しました。
購入後すぐにリピート購入してくださるお客様が多くありがたいです。

この「奥吉備の里の日本みつ蜂はちみつ」は、大切にスプーンでひとさじずつ楽しむ用です。
はちみつが甘すぎると苦手だった息子もフルーティーな爽やかさと奥深い甘みのあるこのはちみつが大好きで、私の目を盗んではペロリとしてしまうほど美味。

ウイルス感染も心配なこの時期、ひとさじなめるとのどの痛みも和らぐので、はちみつがあると常備薬として心強いです。

でもニホンミツバチは非常に希少なはちみつなので、その他に非加熱のセイヨウミツバチのはちみつをサラダのドレッシングやピクルス漬け、はちみつレモンを作る時などの調理用として使い分けています。
本当に良質なはちみつの選び方については、次回のブログで詳しく書いていきますね!
※ブログ更新しました↓
「美味しくて薬にもなる非加熱はちみつを選ぶ基準」

<参考文献>
・自然治癒はハチミツから〜ハニーフルクトースの実力〜:﨑谷博征/有馬ようこ著 *1,*2,*3,*5,*6
・ひとさじのはちみつ:前田京子著*4,*7
・人生を変える夜はちみつダイエット:田井祐爾著

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日本ミツバチのはちみつと石けんに込めた想い②〜奥吉備のはちみつを訪ねて〜

美味しくて薬にもなる非加熱はちみつを選ぶ基準

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