気づきの種をまく〜なぜパーム油不使用の石けんなのか〜

先日のことなのですが、石けんをご注文いただいたお客様から
「なぜパーム油不使用なのでしょうか?」
とご質問を受けました。

新聞で紹介されていたのを機にMATSURIKAの石けんを購入していただいた後に、パンフレットに書かれた
「パームオイル不使用」
という言葉に「なぜ?」と疑問を持たれたそうです。

以前、パーム油についてはブログを書いたのですが、なぜMATSURIKAの石けんがパーム油を使わないことにこだわるのか。
改めて少し書きたいと思います。

パーム油は非常に安価で、その加工品は私たちの身近に溢れています。
チョコレートやスナック菓子、ショートニング、インスタントラーメン、カレールー、飲食店の揚げ油など食料品、他にも石けん、シャンプー、化粧品や洗剤、工業用潤滑油、塗料など。
原材料に「植物油」とか「植物油脂」と書かれた場合もその多くがパームオイルです。

MATSURIKAの石けんでパーム油を使用しない理由は、世界一の消費されているオイルで、その大規模栽培のための森林伐採による地球環境への負荷があまりにも大きすぎるためです。

パーム油はマレーシアやインドネシアの原生林を伐採して大規模プランテーションを拡大し、森と共に生活を営んできた人々やトラやオラウータンの住む場所を脅かしています。

更にパーム椰子の農園開発による森林伐採による気候変動も問題視されています。
大量の炭素が蓄えられている泥炭地が開発されることにより、膨大な量の温室効果ガスが排出されているのです。
インドネシアは中国、米国に次ぐ、世界第三位の温室効果ガス排出国になっているそうです。

スナック菓子だったりチョコレートだったり、ファーストフードや、石けんなど・・・
風が吹けば桶屋が・・・ではないですが、普段私たちが、何気なく買っているものが近年の異常気象を助長していると思うと、ちょっとゾッとしますよね。

「いやいや、そんな私一人が摂る量なんてたかが知れてるし」
なんて思いがちですが、食品として口に入れる量が、日本人1人あたり年間およそ4キロ。
更に石けんや化粧品、ねり歯みがきなど食品でないものも合わせると5キロにも及ぶそうです。
安価で使いやすいので、世界中で急速に需要を伸ばしています。

(パーム油の健康への影響など更に詳しく知りたい方は過去のブログをご覧ください→石けんにパームオイルを使わない理由☆

最近公開されたパーム油の問題を分かりやすく伝える「ランタンの物語」という短編アニメ動画があります。
国際環境NGOグリーンピースUKが作成した動画で、最初は字幕だったのですが、タレントのベッキーさんがこの動画に感銘を受けてナレーションに協力されたそうです。

1分半くらいの動画なので、後ほどぜひご覧になってください。(ブログの最後にリンクを貼ります)

数年前は、なぜパーム油を使わずに石けんを作っているのかをお話しても、パーム油問題を知らない方がほとんどでした。
でも最近になって、こうした動画が出てきたり、パーム油不使用の石けんをわざわざ探してご注文してくださるお客様が増えて、エシカルな消費を選ぶ方が多くなってきたと日々実感しています。

パーム油を使えば石けんの原価は非常に、非常〜に安くなります。
安価でとても石けんを作りやすい油脂ですが、MATSURIKA SAVONでは環境問題の視点からだけではなく、更に上質な使い心地を目指し、固形油脂はパーム油の代わりにオーガニック認証のシアバターやココアバターを使用しています。

またRSPO認証パームという持続可能なパーム油もあり、それはそれで良いとは思うのですが、それではなかなかメッセージが消費者に届かない。

MATSURIKAの石けんは、
「パームオイル不使用」
とはっきりと自社基準で定め、リーフレットやホームページに表記することで、冒頭で質問をくださったお客様のように
「なぜ不使用なのか?」
という疑問を持ってもらえる。

この「なぜ?」は「知りたい」と思う欲求につながる。
スマホ片手にすぐにググれる時代。
このリーフレットにこめられたひそかなメッセージにピンとくる人はけっこう多いのです。

テレビの影響力が大きく、タレントがCMで使うイメージだけで漫然と買っていた頃とは違う。
海外ニュースで知ったのですが先進国の若い人の多くが、使い捨てのファストファッションではなくサステナブル(持続可能)な買い物をしたいと思っているそうです。

私たち日本人の生活水準で今のままの消費を続けていたら地球があと2.4個分も必要だそうです。
ただただ消費をするのではなく、これはエシカルな消費なのか、持続可能な未来に繋がる投資となり得るのか、考える時代に来ていると思うのです。

もちろん、私自身も「いいなぁ」と思っても経済的にすべてそうした消費ばかり選べない時も度々あります。
だからこそ、何にお金を使うのか、優先順位が大事になってくると思うのです。

そしてパーム油問題のように、目先の「安い」はワケがあるから安いのであって、そのツケを後回しにしていることが多いのです。
食べものだって「安い」だけで食材を選んでいたら、美味しくなかったり、健康を害して医療費がかかったりすることもあるかもしれない。
だから食べるものひとつだって、きちんとした食べものを選ぶことは、美味しいのはもちろんのことですが、何よりも大事な
「自分や家族への健康への投資」
だと思うのです。

そして、石けん箱には私たちの想いが刻印されています。

Organic & Botanical,
Ecological & Ethical
And Palm oil FREE.
Enjoy the special soap
containing the blessing
of nature from Maniwa.

真庭の自然の祝福をあなたに

使う時にワクワクするような日々を豊かに彩る美しい石けんが、環境にもやさしいエシカルなものだったら最高にHappyだと思うのです。

そして良いものを使うと日々がシンプルになっていくのです。

「メイク落としも石けんの二度洗いでできるし、肌が潤うのでクリームもいらなくなりました」
「石けんでシャンプーしたら髪がふわふわでリンスもいりませんね」

こうしたお声を多数いただいています。
高価な石けんかもしれないけれど、私たちは「美容液」を固形にしている感覚。
単に汚れを落とすのではなく「与える」石けんです。
「石けん」という概念を飛びこえたら、あれこれ買うよりシンプルで経済的だと思うのです。

先日ご質問をくださったお客様に、こちらの想いをメールで返信したら、
「大変良い気づきになりました!
これから石鹸だけで済めば、少しシンプルな生活が出来ます。
お掃除も強力な洗剤を使わなくても、石鹸と重曹、クエン酸で足りると言われますね。(中略)
これからも、自分のこと、家族のこと、身近なこと、日本、世界のことを考えて出来ることをしていきたいと思います!」
と嬉しいお返事をいただきました。

小さな石けん工房でできることは微々たることですが、こうして使っていただいた石けんが誰かの
「気づきの種」
になったらとても嬉しい。

みんなが一歩先へ進まなくてもいい。
半歩先でいいから、知ってほんの少しでも行動を変えることが、これから私たちが望む世界を作っていく。

そんな想いが届きますようにと願いをこめて。
今日も石けんを作りたいと思います。

ベッキーさんがナレーションに協力した「ランタンの物語」(ぜひご覧になってくださいね)↓

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