石けん作りへの思い

なぜ石けん作りを始めたのか。

以前、学校の保健室で働いていたときに、アトピーの生徒や手荒れの生徒の相談を受けることが多く、なるべくナチュラルな石けんを探していたタイミングで友人から手作り石けんをもらいました。

市販品とは違うやわらかい使い心地、ふくふくと立つ泡と精油のいい香り、洗い上がりはしっとりしたのに驚きました。
以来、自分でも作ってみたいと試行錯誤を重ね、何度も失敗を繰り返しながら、最近はようやく自分でも納得いくものができるようになりました。

もともと料理は好きだけど、ズボラなのでレシピも作らないし、野菜のはじっこを食べてみたりして、その時に蒸して甘みを引きだそうとか、炒めてアクを旨みに変えて、塩加減を決めたり・・・料理は感性でしているので本当に適当。

でも石けんのレシピを決める作業は計算・計算の繰り返し。肌なじみの良さや硬さと泡立ちの良さとか、オレイン酸やリノール酸など脂肪酸のバランスを考え、絶対に間違ってはならない水酸化ナトリウムの量を計算して、精油の割合などなど、事前に決めることが多すぎてクタクタ。

でもやっぱり石けん作りが好きなのは、そこから作り始めると料理と同じ感性の世界だから。

まずは自然の恵みをぎゅーっと絞ったオイルの色や香りにうっとり。

上質の植物オイルをアルカリと合わせて、そのオイルの有効成分を壊さないためにコールドプロセス(冷製法)で作っていきます。

強アルカリの水酸化ナトリウムはできれば使いたくないけど、それが鹼化という化学反応を経て、撹拌するごとに透明からクリーム色になり、優しい石けんに変わっていくさまは何度見てもワクワクする。

コールドプロセス石けんは、オイルの配合によっては見極めが難しく分離して失敗してしまうこともありますが、その緊張感を経て1ヶ月以上の熟成・乾燥期間を経て、いいものができあがった時の喜びは格別。

多分、私にとって石けんって、自然の恵みを凝縮した結晶のような宝石のようなもの。

そして、そんな自然の恵みたっぷりの石けんを他の人が使ってくれて、香りにほっと癒やされたり、肌の調子が良くなって幸せな気分になったら、こんなに嬉しいことはない。

真庭に引っ越してきてから、豊かな自然に触れるたびに、この季節折々の素材を石けんにしたいと思うようになりました。

私の石けんを使ってくれて、市販のボディソープやシャンプーを使う人が石けんの良さに気づいてくれたら嬉しいなぁと思う。

小さな一歩かもしれないけど、蛍が舞うこのきれいな川をこの先もずっと残したいと、そんな願いを込めて作っています。

今回は、地元のラベンダーをオリーブオイルにじっくり漬けこみ、香りと成分をとじ込めた石けんを作りました。

それにマカダミアナッツオイルをたっぷり加えてあるのでもっちりした泡が贅沢でお気に入りです。

ラベンダーをイメージして紫根の石けんをコンフェッティで散らしてみました。

環境を配慮しパームオイルを使わず、できるだけオーガニック・フェアトレードのオイルを使って、そして蒜山の塩釜の冷泉水を使用してみました。

この湧き水は肌がツルツルになる超軟水。

不思議とこの水は2ヶ月置いておいても腐らないと県南から汲みに来ている方が教えてくれました。そんな良いお水のエネルギーも石けんから感じ取れたらいいなぁ。

職場で「ラベンダーを探しているんですけど・・・」と相談してみたら、ちょうど刈り取り時期のものをたくさんいただき、なんてありがたい!!

もうすぐ蒜山がラベンダーのシーズン。

乾燥させてどんどんオイルに漬けこんで、これから忙しくなりそうです。

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