洗いすぎない石けん生活と肌ケア

早朝の子どもが寝ている間に、石けんを切り分けたりラッピングする時間が好きです。

石けん箱を出すと部屋にも香りが拡がり癒やしのひととき。

今日ラッピングしたのは以前作った蒜山ラベンダー石けん(以前の投稿はこちら)。

たくさん作ったので、少しずつラッピングしては大切な人に贈っているのですが、美しい紫根のコンフェッティと、オーガニックのマカダミアナッツオイルのきめ細やかでふくふくとした泡としっとりの使い心地、お風呂場に広がるラベンダーの香りが好評で早くもリクエストをいただいています。

小さく切り分けて袋に入れた石けんは、先日、地域の乳幼児の集いの広場「勝山ゆうゆう教室」でプレゼントしたシンプルなラベンダー石けん。

ここでは毎月「子どもの健康お話会」というタイトルで、私からちょっとしたお話会をさせてもらっています。

今回は、お子さんの皮膚ケアについてお話ししました。

その資料から一部抜粋↓

皮膚のバリア機能をはたす角質は大人でも0.02〜0.03mmという薄さですが、赤ちゃんや小さい子どもはその半分くらいの厚さしかないと言われています。

これだけ違う子どもの皮膚ですから、大人と同じ感覚で洗っていては、肌が乾燥してしまいます。

この洗いすぎによる肌の乾燥が、かゆみを引き起こすこともあります。

皮膚の汚れと言われる、汗や皮脂、角質のはく離成分(垢)などは「水溶性」のものがほとんど。

洗浄力が強いボディソープでごしごし洗ったりすると、大切な皮膚のバリアをしてくれる角質や皮脂や常在菌を落としすぎてしまいます。

湯船にしっかりつかっただけでも汚れはかなり落ちるといわれています。

洗う場合は肌に優しい無添加の石けんの泡で優しく洗ってあげる程度で十分です。

これは子どもだけでなく大人にも言えること。

洗いすぎが原因で乾燥肌や敏感肌になっている人って多いのです。

「毎日ボディソープやシャンプー使ってしっかり洗わないと洗った気にならないし不潔」という方もいるかもしれません。
でも「毎朝洗顔」「朝シャン」「しっかり汚れを落として清潔に」とか、「ボディ用、頭用、顔用」・・・なんて本当は石けん1個で済むものをCM等のイメージからなんとなく使っていませんか?企業は少しでも製品を多く買ってくれたらいいだけであり、TVや広告の「きれい・かわいい」に流されずに「本当にそれ必要なの?」と自分の頭で考える必要があります。

最近、ボディソープや石けん類を使わない「タモリ式入浴法」とかお湯のみで頭を洗う「お湯シャン」など、タモリさんや福山雅治さんも美肌を保つために実践していると、よくネットに出てきます。

でも、体を洗わない入浴法って、焼き肉大好きとかファーストフードやコンビニ食が多い人、食べ過ぎ傾向にある人には向きません。(タモリさんや福山さんも食生活にとても気をつけているそうです)

皮膚は排泄器官でもあるので、よくない油脂や乳製品や動物性食品を摂りすぎている人は、皮脂分泌が過剰すぎて頭皮がベタベタになったり体臭が出るので、石けんやシャンプー使わないなんて無理!と思うかもしれません。

我が家も、ゆるーくベジでときどき動物性食品も食べる生活なのですが、食事で体臭や皮脂分泌って本当に変わるなぁと実感しています。

基本の家での食事が和食中心で砂糖を極力摂らない生活なので、そうしたときは肌の調子も良いので自分で作った石けんさえも使わないこともしばしば。

顔はメイクしたい派なので、夜の入浴時のみ石けんを使いますが、朝はぬるま湯で顔を洗うだけ。

体に石けんは数日に1回使う程度。

そして頭も自分の作った石けんで洗うから、バスルームにごちゃごちゃボトル類を置く必要がなくすっきり。

(石けんシャンプーで髪のきしみが気になる人はりんご酢などを洗面器のお湯に大さじ1ほど入れて髪に流しかけるお酢リンスがおすすめです。)

子どもも石けん1個で頭から顔から全身洗いますが、湯船に長めに入って頭をシャワーでしっかり流すだけで石けんを使わない日もあります。

ズボラだけど、楽ちんで、その方が肌の調子もいいのです。

水が良い真庭に来てからは特に、自分の石けんで顔を洗うと肌がしっとり落ち着くので、入浴後は化粧水もほとんど使っていません。

(たまに乾燥が気になるときは手作りの枇杷の葉化粧水やローズウォーターの化粧水などを使用しています。市販品で使った中ではアムリターラなんかもおすすめです。)

子どもの場合、乾燥や痒みのある時だけ、植物油を少し塗るか、手作りのみつろうクリームを塗ってあげています。

みつばちが巣を作るときに分泌するみつろうは肌を修復する作用があります。

キャリアオイルはオリーブオイルでもいいのですが、敏感肌の方はホホバオイルやスイートアーモンドオイルをお勧めします。

ラベンダーなどの精油を入れた方が香りが良く皮膚の炎症を鎮める作用もあるので、ネットなどで材料が手に入る機会がありましたらぜひ作ってみてください。

作り方はこちら↓

<材料>

・みつろう4g

・スイートアーモンドオイルやホホバオイルなどのキャリアオイル20ml

・精油(ラベンダーやティーツリー、ローマンカモミールなど)4滴〜5滴

・みつろう4gとキャリアオイル20mlをはかり、耐熱ガラス容器に入れ湯煎(ゆせん)します。

・竹串などでかき混ぜながら完全に溶かします。

・完全にみつろうが溶けたら湯煎(ゆせん)からはずし、クリーム用の容器に移してガラス棒や竹串でかき混ぜながら冷ましていきます。

・まわりが、うっすら白くなってきたら精油(エッセンシャルオイル)を1滴ずつ加え、混ぜます。

・静かに冷まして出来上がりです。

(みつろうにアレルギー症状が出る方はシアバター15ml、好みのキャリアオイル5ml、好みの精油4滴を火を使わずに、かきまぜるだけのクリームもおすすめです。)


よく肌ケアにベビーローションを使っている方が多いのですが、裏面のラベルをよく見ると「赤ちゃんに低刺激なミネラルオイルを使用」と書いてあります。

ミネラルオイルとは鉱物油=石油から精製された流動パラフィンです。

石油由来のオイルは油分が強く皮膚呼吸を妨げ、皮脂腺が自分で天然のクリームを出す作用を妨げます。

もちろん植物油だってピンキリですし、体質によってはアレルギー性のあるものもあるので一概には言えません。

でも以前、保健室で働いていたとき、ミネラルオイルが主原料のクリームを使い続けていて角質が分厚くなって乾燥とアカギレを繰り返していた生徒に、植物油原料の無添加のパックスのハンドクリームを勧めたら、びっくりするほど改善したこともありました。

その時に、石油由来のオイルは肌をピッチリ覆ってしまい油分が常に肌に残るため、皮脂腺が皮脂を出す必要がなくサボってしまい、どんどん皮脂を出せずに乾燥肌になっていくことに気がつきました。

洗浄力が強すぎる合成のソープなどで洗いすぎ、そこに加えてさらに石油系のクリームやオイルでフタをしてしまっては、皮脂は奪われ新たに分泌することさえできなくなっていきます。

また、合成のシャンプーやボディソープに使用される合成界面活性剤や化学物質など、アレルギーやアトピー、発がん性、妊婦から胎児への影響など様々な健康影響を与えることが分かっています。

私が考える肌ケアとは、水分を肌から逃がさないようにフタをするのではなく、皮膚呼吸や皮脂分泌を妨げず、皮脂となじみの良い油で、皮膚の恒常性を保つことが一番大切だと思っています。

そうした意味で植物性の原料で作られた石けんや化粧品をお勧めしています。

<スキンケアのまとめ>

ゴシゴシ洗いすぎない。(湯船にしっかりつかるだけでもOK。洗うときはなるべく泡で洗う)

合成のシャンプーやボディソープ、洗顔フォームよりも無添加の石けんを選ぶ

植物油を中心とした必要最小限のケアで石油系の余分な物をつけない

動物性食品や乳製品、安価な油脂類、白砂糖を摂り過ぎる食生活に気をつける

体を冷やさない。入浴をしっかりして肌の新陳代謝を高める。

皮脂は自分に一番適した天然のクリーム。朝の洗顔はぬるま湯でOK

肌を甘やかさない(いくら植物性でも高価な美容液やクリームオイルのつけすぎに注意)

もちろんアトピーの方などの皮膚ケアはこの限りではないのですが、共通している部分も多いので少しでも参考になれば幸いです。

石けんを作っているくせに、「極力石けんを使わない生活」って友人によく笑われるのです。

でも、石けんを少ししか使わないからこそ、素材にこだわった自然の恵みたっぷりの石けんを私自身が使いたい。

そして合成シャンプーやボディソープを使って肌荒れに悩んでいる友人が、本物の石けんの香りや使い心地の良さに少しでも気づいてくれたらといいなぁと思うのです。

そして石けんは川や海に流れても24時間以内に生分解されます。

お肌に優しいものは環境にも優しいのです。

もっと環境にいいのは石けんさえも排水に流さないことだけど・・・

こんな香り高いふくふくとした泡の石けんをまったく使わないなんて、それはそれでちょっと寂しいと思うのです。

まずははじめの一歩として、ズボラにお湯洗い&時々石けん生活いかがでしょうか?

 

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