先日は関東や北日本では大雪だったようですね。
雪はきれいですが、都心で降ると大変ですよね。
ここ数日は岡山県北の勝山も雪ですが、皆スタッドレスタイヤなのでいたって平常な日々。
昨日も晴れ間と降雪が交互に続くような状態で気温はなんとマイナス3℃。
とにかく寒いのですが、工房へ続く道は粉雪が舞ってキラキラと美しいです。
友人によると、晴れているのに雪が降るのを狐の嫁入りではなく「狸の嫁入り」と言うらしいです(笑)
晴れているのに雪が舞うことが多い勝山の冬の空がとても好きです。
工房の外は寒いのですが、石けんは気温が低すぎると表面が真っ白になるソーダー灰がついてしまうので、建物やサッシの断熱性については設計の時点からお願いしていました。
お陰で冬の朝でも建物はキンキンに冷えた感じではなくほんのり温かい。
小さな工房なので、石油ストーブ1個だけで温かく過ごしています。
そして、製造開始を控え、工房にはオイルなどの原材料がどしどしと届いてきています。
業務用サイズはどれも20キロ以上と、めちゃめちゃ重いので運ぶのも一苦労です(^^;
こちらがMATSURIKAの石けんで一番のこだわりのオイル。
保湿剤などの添加物を一切入れないため、石けんの質の善し悪しは原料のオイルで決まります。
美容液のように肌に残るオイルですから、古いものや混ぜもの、酸化しやすいものは当然NGです。
人だけにではなく環境にも優しい原材料を目指すため、環境負荷の大きいパームオイルは一切使用せず、オーガニックで鮮度の良い上質なオイルにこだわっています。
特に大事なのが石けんの基本となるオリーブオイル。
肌の保湿を助けるオレイン酸やスクワレンを豊富に含み、洗浄力と泡立ちのバランスが良く、古来より地中海沿岸の地域ではオリーブオイルの石けんは肌に良いとされています。
ただ、オリーブオイルの石けんを作るとき、ひとつ難点なのはその色。
もともと黄金色〜グリーンのエキストラバージンオリーブオイルメインで石けんを作ると、どうしても「アレッ○の石けん」のようにくすんだグリーンか茶色の石けんになってしまうのです・・・↓
しかもこうした石けんって、使用感はマイルドなのですが、私はオイルが酸化した匂いがどうしてもダメなのです。
↑こうした白く美しい石けんは、精製された透明なピュアオリーブオイルを使えば作れるのですが、もともとピュアオリーブオイルは、エキストラバージンになれなかった酸化度が高めのオリーブオイルから作られています。
私自身、敏感肌なので、今までピュアオリーブオイルでも肌馴染みが良くなかったり、酸化が早くてベトついたり、ちょっと調べるとオリーブオイルって本当に玉石混合で質が悪いものは混ぜものなんでもありの世界なのです。
もちろん、質の良いピュアオリーブオイルで作られた石けんも数多くあるのですが、MATSURIKAとしては、植物原材料の80%以上はオーガニックまたは野生種と自社基準を定めています。
料理用として良質のオーガニックのエキストラバージン(未精製)は数多く流通しているのですが、化粧品用に精製したオーガニックのピュアオリーブオイルがそもそもニーズがなく、どこを探しても存在しないのです。
「良いオイルを使いたいので見た目が茶色の石けんでもいいか・・・」
でもナチュラル&オーガニック=地味・・・というのはちょっとMATSURIKAのコンセプトとは違うのです。
見た目がエレガントだったり香りが良い石けんは浴室に持ち込むときに気分が上がります。
見た目の美しさにも癒やされる石けんで、その原材料が地球環境に優しいオーガニックやフェアトレードだったら更に素晴らしいと思うのです。
そうして、納得のオリーブオイルが見つからずに探すことに数年費やした頃、本当に幸運なことに、オーガニックの良質なオリーブオイルを扱う老舗の油問屋さんと出会い、取引させていただくことになりました。
農薬に頼らない地球にも人にも優しいオイルを使えるのは本当に嬉しいことです。
エコサートのオーガニック認証つき、更に成分分析までしっかりしてくださっている安心のオイルです。
↓
さらに思い切ってこのオーガニックのエキストラバージンオリーブオイルを、MATSURIKAの自社分のみ精製をかけてもらうことにしたのです。
こんな良いオイルを精製するなんて贅沢すぎて通常じゃありえないことですが、油問屋の社長さんがMATSURIKAの思いを汲んでくださって、うちの分のみ少量を別プラントで精製してくださって、その透明なオイルのサンプルが届いたときはもう感無量でした。
この世のどこにも売っていないオーガニックの精製オリーブオイル。
酸化しにくく、重たすぎず肌馴染みがとても良く、素晴らしい石けんになりそうです!
こうした、きちんとした良い原材料を取引させてもらうために、MATSURIKAは個人事業ではなくわざわざ法人化したと言っても過言ではありません。
しかもこうした良い原材料を使うとOEM(委託製造)にしたら、とんでもない金額の石けんになってしまいますから、工房まで建てて自社製造にこだわるのです。
ここまで徹底していると驚かれるのですが、私たちは原材料とか気にせず、目先の安さでものを選びがちです。
でも日本でバレンタインに飛ぶようにチョコレートが売れるその裏側で、生産地で子ども達が強制労働を強いられていたり、マレーシアやインドネシアで生産される安価なパーム油のために最古の原生林がどんどん伐採されていることは、まだまだ知らない人が多いです。(MATSURIKAの石けんにパーム油を使用しない理由についてはこちら→☆)
私は、買いものは「未来を良くする投票」だと思っています。
もちろん我が家も時にはジャンクなものを買ったり食べたりすることもあります。
でも基本はいつも良い生産者さんを応援していきたいと思っています。
たかが石けん、されど石けん。
食べものだって何だってそう。
ストイックになりすぎず、自分のできる範囲で、未来を良くする1票を投じていきたいですよね。
小さな石けんから何かしらの気づきがありますように。
そんな願いを込めてこれからも石けんを作っていきたいと思います。
※製造許可取得のための県庁の監査が2月中旬になるので、本格的な製造・販売まで、もう少しお待たせすることになりそうですが、一歩ずつ準備を進めていますので今後ともよろしくお願いいたします。