子育てしながらの起業という選択

うららかな陽気で心が浮き立つ春。
今年は遅咲きだった工房周辺の桜がとてもきれいでした。

この時期になると山桜が咲き、暗かった山の色が薄紅を差したように明るくなる。

季語の「山笑う」とはまさにこのことだなぁと毎年思うのです。

(旧勝山藩主の邸宅「三浦邸」の桜)

4月は木々が芽吹き、大好きな桜が咲く良い季節なのですが、子どの春休みに加えて製造担当のmiyukiちゃんがしばらくお休みになってしまったりで、製造がまったくできない春休みでした。

でもそれでもなんとか回せたのは、販売する製品が日持ちのする「石けん」で、工房オープンの日以外は店舗として開けず、ネットショップを主として販売しているからこそ。
集中して製造する時期と販売する時期にメリハリをつけているから、少人数の子育てママ同士でもなんとか回せるのです。

そして、工房のまわりが自然豊かな環境だからこそ、子どもをのびのびと遊ばせながら仕事ができる。

フキノトウやつくしを摘んできたり、七輪で炭火を起こして魚やお芋を焼いて食べたり楽しそう。
ときどきは大人が見ていないと危ないですが、火を扱うのもいい経験です。

会社を起ちあげてからもうすぐ2年ですが、その頃より子ども達は確実に成長していて、今では私の帰りが遅くなっても家で留守番できたり、先日は旭川沿いの自転車道に子ども同士でサイクリングに出かけてくれて本当にありがたかった。

もちろんタブレット端末で動画を見たりゲームをする時もありますが、エネルギーを持てあましている男の子なので天気のいい日は外に出て、秘密基地を作ったり、ひたすら穴を掘ってみたり。

この自然豊かな環境だからこそ目指せる「子育てと仕事の両立」だと思うのです。

それでも友達同士ケンカしたり、子どもの相手をして中断する時も多々あり、「両立」なんて偉そうなことぜんぜん言えないのですが、目指している形があると一歩ずつでもそれに近づけていける気がするのです。

2014年に初めて真庭市を訪れて市役所で地域おこし協力隊の話をお聞きした際に、
「子どものために移住するから、子ども優先にしたい。仕事でご迷惑かけるかもしれません」
と不安を伝えたら、担当の方が、
「ここ真庭ならではの働きながら子育てするモデルを山形さんが作ればいい」
と力強く背中を押してくれました。
あの言葉がなかったら、母子で移住して起業するなんて、ここまでのチャレンジはできなかったかもしれません。

以前の仕事の学校の養護教諭は、やり甲斐のある大好きな仕事でしたが一人職だったのでなかなか休めなかった。
子どものことを優先しながら自分が得意な分野で働くスタイルを考えると一番フレキシブルに動ける選択が「起業」だった。

もともとの動機はシンプルで、お肌のトラブルで困っている人や、癒やしを求めている人のために大好きな石けんを作って届けたいだけなのです。
法人を立ち上げて化粧品製造業・販売業の許認可の取得したのも、石けんを作るのに必要だったからやったまでで、工房を建てることになったのも、自分の中では自然な流れでした。
「女性起業家」なんてキラキラした言葉、ちっとも自分に見合っていないと思うし、起業家にわざわざ「女性」とかつけなくていい。

そもそもなぜ女性が起業したら特別視されるのか?
「イクメン」なんて言葉が流行っても、男性の育休取得率がようやく5%になったとか言われる現状で(その日数も大半は5日とか)、私だけでなく世のほとんどの女性が感じている「圧倒的不公平感」を語り出したらキリがない。

「ワンオペ育児だから」「夫と離れて暮らしているから」なんて、できない理由をあげれば一歩も動けなくなる。
コップに半分の水を多いと思うか、少ないと思うか、とらえ方は人それぞれ。
「無理」とか「できない」という言葉で自分自身の中にブロックを作りたくないのです。


起業したのだからシステムもルールも自分で作れる。

社会が変わらないとあれこれ言うより、まず自分から変わればいい。

ありがたいことに、応援してくれる人たちはたくさんいるので、少しでもその人達に恩返しできるように、手をかけ心を込めて仕事をしていきたいと思うのです。

さあ、春休みが終わったので、これからは集中して製造の日々です。

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