桜がそろそろ終わり、木々が芽吹き山々が新緑で彩られるこの季節。
夫や友人、地域の方々の協力を得て、株式会社 MATSURIKA(マツリカ)を設立しました。
もともと東京の公務員をしていた頃の私は、数年後にこうして起業しているなんて夢にも思わなかったでしょう。
思えばこの土地に訪れた日からずっと、この真庭の自然の美しさをとじこめたような石けんを作って、皆さんにお届けしたいという思いをずっと持ち続けてきたので、ようやくその第一歩が踏み出せそうでワクワクしています。
そしてこれから、化粧品製造業と化粧品製造販売業の認可を取得すべく、準備を整えて工房も建てる予定です。
こちらが工房予定地の写真です。
勝山の高台で、風通しの良い素晴らしいロケーションです。
会社名はMATSURIKAで、そこに石けんを意味するSAVONをつけた
「MATSURIKA SAVON(マツリカ サボン)」がブランドネームです。
私はかねてより、この「マツリカ」という言葉を社名やブランド名に起用したいとずっと思い描いてきました。
このマツリカというのは、ジャスミンの和名で、茉莉花とも書きます。
ジャスミンの語源が「神からの贈りもの」という意味があるそうです。
私はこのジャスミンの名前の由来を知ったときに、石けんの歴史が真っ先に思い浮かびました。
石けんは、はるか昔、紀元前3000年頃、今から5000年前にできたと言われています。
古代ローマ時代の初めごろ、サポーという丘の神殿で羊を焼いて神に供える風習がありました。
この羊を火であぶっているとき、したたり落ちた肉の脂(油脂)が木の灰(アルカリ)に混ざって、汚れを落とす不思議な土が偶然できたそうで、これが石けんの起源だそうです。
神殿への捧げ物から、偶然の産物として、こんなにも人々に役立つものが生まれるなんて、石けんはまさに神様からの贈りものだなぁと思うのです。
そして、神様からの贈りものという、もう一つの理由。
真庭のこの土地の湧き水を使うと、とても素晴らしい石けんになるのです。
いつも水汲みに行く、塩釜の冷泉水は、標高1,000以上の蒜山(ひるぜん)の裾野からこんこんと湧き出ている美しい泉です。
天照大神など、日本の神々が住んでいたと言い伝えられる「高天原(たかまがはら)」だったと言われる場所は、日本各地にあります。
ここ蒜山も高天原だったと伝説のあるその場所のひとつで、日本神話に出てくる地名がこの地にはたくさんあります。
そして、この塩釜の冷泉が「天の真名井」とされる説もあり、そのあまりにも清らかな泉には今にも女神様が出てきそうなパワースポットです。
この塩釜の冷泉水は地中深くから湧き出ており、水温が通年11℃という冷たくとても美味しい水です。
味覚が敏感な息子は、この水を「神様の甘い水」と表現するくらい、口に含むとクリアな味の中に甘みを感じるお水です。
この水を飲むと、不規則な生活を送っているときには夫も私もすぐにデトックスが起こり、身体の巡りが良くなりリセットされるような不思議なお水です。
とろっとしていて、肌なじみが良く、この水で顔をパッティングするとつるつるしっとり。
PHは弱アルカリで硬度は13〜17という超軟水です。
石けん作りには軟水がとても向いています。
精製水や浄水を使うより、この水を使う方が明らかに石けんのできが良いのです。
この湧き水を使用した石けんはしっとりした肌当たりの良い、手に取ると清浄なエネルギーを感じられるような石けんです。
そして自然豊かなこの土地のハーブや薬草たち。
南北50キロもあり、標高差がある真庭は、自然素材の宝庫です。
そしてオーガニックで環境を破壊しない、圧搾法の極めて上質なオイル。
こんな素材を使った石けんは他にない、この場所でしか作れない石けんです。
そんな神様からの贈りもののような石けんが作りたくて、社名をMATSURIKA(マツリカ)という名前にしました。
ロゴは蒜山の湧き水をイメージし、中央にマツリカの花をデザインしてもらいました。
まだまだ化粧品製造業・製造販売業を取得するまで超えなくてはならないハードルはたくさんありますが、神様からの贈りもののような石けんを皆さんにお届けできる日が早く来るように、ここからがスタートです。
初めての法人立ち上げや工房設立に右往左往していますが、助けてくださる皆さんにご恩返しができるよう精一杯がんばっていきたいと思います。